めん〳〵が母のかたき事の歌とおもへば討にちかゝ夜気なし
たるませぬ母の慈悲此ゆいこんを忘るゝな父一官がかゝ
を生れは親やはとをやゝまいぞ母は死ていさめをなし父
はながらへけ立んせば世に不足なき大しやうくん浮世
のおもひ出是迄と。行のたばねを一‾ゑぐる切さはき
きんしやう女此世にこゝろのこらぬか。何に何に心のこ
んといへとものこる夫婦のなごろ。親子手をとのひき
よせて国性翁が出立を見あげ見おろし嬉けに
笑顔を染婆のかたみにて一度にいきは紙にけり。
かにをあざむく国性発りやうこといさむ五じやう
くんなみだにまなこはくらめ共母のゆいごんをむくのこんを
妻のこゝろを破らしと国性翁はかんきを恥かるさは