れいきたへたる音におもつたかけ出る者にて何事とうろくつくつから
しやくの水を口うつかいほうしても呼いけても其心かひさるに。人たも
思ひ付たる気てんの台婦は娘の五音に其よひ心つけれ御したの
とかめなるかと手を清め。義只今公のふとこのへ手をさへてくたいの御
きさつとひけはたちまちに二人はめのさめたるこゝち。ひけての方には
六蔵がもとりけつて。うかゝひ足を落公あたりを見廻し此家にとまりて
うひ見れば。かけうににさるふしんの名句。御子といひの所といひ。
かたくもつて心得ずと。娘かれんほを夢にまいふとよそ思ひしゆべ用ゆる
れは今のしたら。しさいて有ん此家の内と御心也を取てまきはためりて
な来れと引つれておくの一-間に入給ふ跡にしよんほりほりなげに何と詞も
なけ首したつきもしらぬわた中にかちなきおふねか物思ひ打しほ
れてぞ居たりける。おでにひかへし土蔵は木部屋にかくせし腰ばつれ
心心を持。かくはまがひなき新田のおちかど相哥のろしを上る。よま
手を引うけ。せてはながらにならずぬけかけしからめぬて。からせ