謹顕春和之候愈々御催職事大賀有扨々
今回の誌送挙に当り不肖敬之助浅学範才の身を
以て再び同志諸君之御推薦を蒙り象蔵院
議員候補者に立つの兄茶を有しす今回の解散
日別紙政見に於て披露致候如く政権に鐘帳
する一派の寺内内閣に対する不信任呼はりに基因
し而して目下の政局は実に憲政の上に於て
憂麁措々能はざるもの道こそ歟に付き不肖は是非
退譲して後賢の進路を啓き真個国民の輿を
に副ふべき適任者を推薦するの必要を自労
致し共なれならす一家の事亦国事に専念
なるを許さゞるもの有之寺々立候補之辞退
致候得共先輩及同志諸君之趣烈なる勧
告を受け且か不幸にして適任者の承諾を得
る能はず一身之利害を顧みて隣諸遁巡し難か
場合に立立至りと付此に重ねて候補に立つの決心を
なしたる次第に御座候間幸に不肖の心事御賢家不
絶大日御援助御尽力を賜り度切望に不堪は
右御挨拶旁々御依頼申爰如斯ニ御座候
敬具
大正六年四月
井上敬之助
風を
撫右
もの